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不動産オーナー税理士が語る不動産投資と税金の実践的アドバイス

スリーアローズ税理士事務所
代表税理士 三矢清史氏

投資用不動産の売却、消費税の納税に要注意

2021年6月11日

スリーアローズ税理士事務所三矢です。


令和2年の確定申告期限後の令和3年4月分のブログで令和2年に不動産の売却が多数あった旨お伝えさせていただきました。
不動産の売却を行った場合、売却額と購入額(減価償却考慮後)の差額で儲けがあれば、譲渡所得として所得税・住民税が課税されます。
譲渡所得の申告については多くの方がご存じかと思いますが、投資用不動産を売却した際は消費税の申告についても気を付ける必要があります。今回はその点についてお伝えしたいと思います。

確定申告イメージ

 消費税等の申告は、事業を行う者のその1年間の売上高を集計し、消費税が課税される売上高の合計が1000万円を超えるかどうかで申告する必要があるかないか判断されます。
1000万円を超えることとなった場合、その超えた年の翌々年が消費税の納税義務が出ることになります。
具体的には令和2年の確定申告を集計し、課税売上高が1000万円を超えていた場合、令和4年は消費税の申告を行う必要が出てきます。令和3年について消費税の申告が必要かどうかの判断は、前々年で判断ということになりますので、令和1年が課税売上高が1000万円超えるかどうか確認を取る必要があります。
1000万円超えるかどうかの判定の基準となる消費税の課税対象となる課税売上高、消費税が課税されない非課税売上高について、不動産業を前提に下記にまとめました。

 

【非課税売上高】
・居住用の家賃
・土地の地代
・事業用土地の売買代金  等々

【課税売上高】
・上記非課税売上以外の家賃(事務所用、店舗用、倉庫用等)
・駐車場代
・事業用建物の売買代金  等々


 土地活用や不動産投資をされる方の多くは居住用の物件を建築したり購入して家賃を得るというスキームを取ります。
一部駐車場収入などがあったとしてもメインの家賃は居住用のため非課税売上高となることから、消費税の納税義務がでるということはほぼありません。

具体例
居住用の家賃収入 2000万円
駐車場収入 100万円
消費税の納税義務判定  100万円 ≦ 1000万円 ∴翌々年は納税義務なし


 ただ、気を付けないといけないのはその事業用の物件を売却した場合。
土地の売買代金は非課税売上高になるのですが、事業用建物の売買代金は課税売上高になるため、その建物代金とその他課税売上になる家賃や駐車場収入の合計が1000万円を超えるようであれば翌々年は消費税の申告が必要になります。
居住用の家賃がメインで本来消費税の納税義務がない人でも、資産の組換えを図り所有不動産を売却することにより納税義務が出るケースは非常に多いです。

 

具体例2
居住用の家賃収入 2000万円
駐車場収入 100万円
事業用不動産の売却  土地代5000万円 建物代 3000万円
消費税の納税義務判定 100万円+3000万円=3100万円 > 1000万円
∴翌々年は納税義務あり


 ここで気を付けるのは納税義務が出るといっても翌々年分についてですので、その翌々年の売上の内容が例年同様ほぼ居住用の家賃収入で課税売上高は駐車場収入100万円のみということであればその100万円に対応する消費税の計算となりますので結果として消費税の納税額はそれほどかからないとは思います。

 しかし、その翌々年にまた事業用不動産を売却した場合、その建物代金はその年の消費税の計算対象となるため多額の消費税の納税になる可能性はあります。
事前に納税義務が把握できていればその年に事業用不動産を売却しないという対策をとれますので常々消費税の納税義務があるかないかはわかっておくべきかと思います。

 なかなか難解な話です。
こちらもYoutube動画にまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。


不動産オーナー必見の情報満載! スリーアローズ税理士事務所Youtube公式チャンネル バナー
https://youtu.be/zfSlvCwkwxI

以上、今回はこれにて失礼いたします。

 

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連載を担当させて頂くことになったスリーアローズ税理士事務所の三矢と申します。
当事務所は顧問先の多くが不動産業者・地主家主・投資家・サラリーマン大家というような不動産を所有されている方という一風変わった会計事務所です。
そういうこともあり、不動産所得や譲渡所得、相続税の申告等を多く担当させて頂いていますが、申告結果=成績表と考えると、多くの方のリアルな数字を見させていただいてるのではと実感しております。
この連載において、そのあたりを踏まえた不動産の現状や、不動産と税金の関係などの実態をお伝えしていきたいと思います。


リーマンショック直後は不動産の相場は大幅に崩れ、国も税制改正で不動産についての優遇制度を設けるなど躍起になって停滞する市況に歯止めをかけようとしていました。
その後のアベノミクスと低金利の金融市場を背景に、不動産取引は活発化し、その様相はまさにバブルの再来に近いものがありました。 それこそ1990年初頭のバブル期とことなり、今回の不動産市場の主役はサラリーマン大家をはじめとする個人投資家ではないでしょうか。 おりしも将来の年金不安や、平成27年改正による相続税増税による土地活用ブーム、いろいろな要素が織り交ざって今の熱い不動産市況が生まれました。
しかし、昨年はシェアハウス問題に、その悪質物件に率先して融資をしていたスルガ銀行問題、そしてレオパレス21をはじめとする大手建築による違法建築など暗いニュースが連続しました。
不動産を持てば右肩上がりでうまくいくというわけではない現状、せめて失敗しないようにするためのヒントになるようなことをこちらでお伝えできればと思います。

三矢清史氏 プロフィール

昭和53年5月生まれ 滋賀県高島市出身

経歴

平成14年9月 妹尾公認会計士事務所入社(現 ひょうご税理士法人)
平成27年2月 税理士登録 登録番号129125
平成27年9月 ひょうご税理士法人退職 スリーアローズ税理士事務所開業

趣味

城巡り・スノーボード・釣り・サバイバルゲーム

座右の銘

『成功したければ、踏み均された道を選ぶな』
三国志の魏の曹操の言葉。ありきたりの踏みならされた道を行くのではなく、険しい道、新しい道をあえて進むべきという意味。
『志は当に高遠に存ずべし』 三国志の蜀の諸葛孔明の言葉。志は高く持たなければならないという意味。

スリーアローズ税理士事務所 https://3arrows-tax.jp/