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不動産投資インフォノート
不動産投資家税理士の投資術

不動産オーナー税理士が語る不動産投資と税金の実践的アドバイス

スリーアローズ税理士事務所
代表税理士 三矢清史氏

元気な間に一度は相続税の試算を

スリーアローズ税理士事務所の三矢です。

さて、前回は路線価の公表から、市場価格と相続税評価の基準となる路線価との差についてお話しさせて頂きました。 今回はそれをより具体的に実務に落とし込んでみたいと思います。

『市場価格が高い=路線価による相続税評価も高い』という物件が本来ではありますが、世の中には『市場価格が低いが路線価による相続税評価額が高い』という不動産も多数存在します。そのような不動産は多額の相続税がかかるが、仮に売却したとしてもそれに見合うだけの換金性がない、価値以上に相続税が課税される、というようなことになります。 そのような場合の対処方法としては、“物納”という相続税の納税方法があります。

“物納”とは読んで字のごとく、“物”で税金を“納”める方法で、国は路線価等による相続税評価額で“物”にあたる不動産を収納してくれます。 『市場価格が低いが路線価による相続税評価額が高い』というような物件は売却して換金するよりも“物納”で国に高く買い取ってもらうほうがいいということです。 バブル崩壊当時この考え方で“物納”による納税が多く行われたのですが、その結果として国も不動産ばかりが増えてその維持管理・処分に多大なコストを割いたという苦い経験があります。 その経験を考慮し平成16年に“物納”について大幅な税制改正が行われ、相続税の納税は
①まずは金銭による一括納付、
②それができなければ“延納”という制度を使い金銭で分割納付、
③キャッシュフロー的に“延納”もできないような場合物件によっては“物納”も可能、
というような流れにまとめられました。 仮に相続直後は金銭が少ないものの賃貸収入が発生するような不動産を所有している場合は②の“延納”を選択せざるを得ないような制度になったため、不動産をたくさん所有しているからといって“物納”に期待をしても現実問題適用できないということです。

いざ相続が発生した際に慌てなくて済むよう、お元気な間に一度は相続税の試算をし、納税資金があるかどうか確認しておきたいところです。

2019年の路線価が公表されました。

スリーアローズ税理士事務所の三矢です。

さる令和1年7月1日、国税庁より2019年の路線価が公表されました。
路線価は相続税や贈与税の算定基準となるもので、国土交通省の公示価格の8割を目安に不動産鑑定士の意見や売買事例を参考に算定されています。 景気動向を測る指標の一つとして毎年注目されますが、全国平均は前年を1.3%上回るということで4年連続の上昇となりました。

都道府県別では人口増や観光客でにぎわう沖縄が前年比8.3%も上昇しましたが、半数以上の26の都道府県では前年に続いての下落となっています。 前年に続いての下落といっても22の件は下落幅が縮小しており、全体的には回復傾向の結果となりました。
ただ、全体的にといっても上昇が顕著な都市部とそうでない地方とが相殺され、結果として上昇が上回っているだけということに注意しなければなりません。 二極化がより鮮明になっており、振るわない地域も多い以上、路線価の上昇が景気回復の実感に結びつくかといえばそうとは言えないというのが実際ではないでしょうか。 実際には昨年のシェアハウス問題やスルガ銀行の不正融資、レオパレズによる不正建築などにより金融機関の不動産に対する融資引き締めが半端なく、投資用不動産の利回りは徐々にですが上昇しています。

市況は『利回りが上がる=物件価格が下がる』という構図ですので、この路線価の回復傾向というのはいささか実態を反映していないといわざるを得ません。 国もそれを考慮して公示価格の8割という計算方法で市況との差を吸収できる2割の緩衝部分を作っていますが、市場価格のほうが大幅に安く相続税評価の基準となるこの路線価が高い、という不動産も山ほど存在します。

本業の税理士としましてはその考慮してムダな相続税を減らすようなアドバイスを心掛けていきたいと思います。

不動産で失敗しないための
ヒントをお伝えできればと

連載を担当させて頂くことになったスリーアローズ税理士事務所の三矢と申します。
当事務所は顧問先の多くが不動産業者・地主家主・投資家・サラリーマン大家というような不動産を所有されている方という一風変わった会計事務所です。
そういうこともあり、不動産所得や譲渡所得、相続税の申告等を多く担当させて頂いていますが、申告結果=成績表と考えると、多くの方のリアルな数字を見させていただいてるのではと実感しております。
この連載において、そのあたりを踏まえた不動産の現状や、不動産と税金の関係などの実態をお伝えしていきたいと思います。


リーマンショック直後は不動産の相場は大幅に崩れ、国も税制改正で不動産についての優遇制度を設けるなど躍起になって停滞する市況に歯止めをかけようとしていました。
その後のアベノミクスと低金利の金融市場を背景に、不動産取引は活発化し、その様相はまさにバブルの再来に近いものがありました。 それこそ1990年初頭のバブル期とことなり、今回の不動産市場の主役はサラリーマン大家をはじめとする個人投資家ではないでしょうか。 おりしも将来の年金不安や、平成27年改正による相続税増税による土地活用ブーム、いろいろな要素が織り交ざって今の熱い不動産市況が生まれました。
しかし、昨年はシェアハウス問題に、その悪質物件に率先して融資をしていたスルガ銀行問題、そしてレオパレス21をはじめとする大手建築による違法建築など暗いニュースが連続しました。
不動産を持てば右肩上がりでうまくいくというわけではない現状、せめて失敗しないようにするためのヒントになるようなことをこちらでお伝えできればと思います。

三矢清史氏 プロフィール

昭和53年5月生まれ 滋賀県高島市出身

経歴

平成14年9月 妹尾公認会計士事務所入社(現 ひょうご税理士法人)
平成27年2月 税理士登録 登録番号129125
平成27年9月 ひょうご税理士法人退職 スリーアローズ税理士事務所開業

趣味

城巡り・スノーボード・釣り・サバイバルゲーム

座右の銘

『成功したければ、踏み均された道を選ぶな』
三国志の魏の曹操の言葉。ありきたりの踏みならされた道を行くのではなく、険しい道、新しい道をあえて進むべきという意味。
『志は当に高遠に存ずべし』 三国志の蜀の諸葛孔明の言葉。志は高く持たなければならないという意味。

スリーアローズ税理士事務所 https://3arrows-tax.jp/